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 薬物による治療が主流になっている今日ですが、このアプローチだけでは十分な改善が得られなかったり、慢性化してしまって諦めに近い気持ちに追い込まれている方も決して少なくありません。

「クスリで症状を抑えても、それは対症療法に過ぎないのではないか?」
「再発予防のためとは言え、漫然と薬を飲み続けなければならないのは納得できない」
「クスリによるのでなく、自分の根本的な変化によって治る方法はないのか?」
「『病気と付き合っていく』ことを求められるけれど、再発に怯えなくて済むような本当の解決はないだろうか?」

 このような疑問や違和感を抱いている方たちにとって、納得のいく答はなかなか見つかりにくい状況です。 しかし、むしろこのような場合にこそ精神療法によるアプローチが、大変重要な意味を持つことになります。



 セロトニンなどの脳内物質のアンバランスが、うつ病やパニック障害などの「原因」であるというのが、今日、専門家の一般的な考え方です。
 しかし、何故ある時急にそのアンバランスが起こってしまったのか?アンバランスをひき起こした「根源的原因」は何だろうか? といった点については、ほとんど考察されていません。
 脳内物質のバランス調整を化学的に行うことだけでは、薬を止めたり減らりした場合の再発リスクが残ってしまうという問題点も消えません。当然のことながら、薬物には、その人の価値観や性格、心の歴史などを変える力はありません。
 以前に比べて優れた治療薬が数々登場したことは、もちろん、大変歓迎すべきことです。しかし、人間の「精神」というものを、それだけで解決がつく単純なものと考えてしまっては本末転倒だと言えるでしょう。
 また、「不可逆的で治らないもの」であるかのようなイメージを植えつけてしまうような、「診断」という名の下でのレッテル貼りも、クライアントに諦めを植えつける一因になっているようです。


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 さまざまな症状や適応上の障害は、外部の環境要因とその人の内的な在り方が相互反応して起ります。ここで忘れてならないのは、こういった症状や苦悩そのものが自身のこれまでの在り方を問い直させ、自然で自分らしい生き方を再発見させてくれる、内からの重要なメッセージであるということです。「治療」とは、このメッセージを受け取るためのサポートを行なうのが本来の姿であったはずです。
 その人本来の自然な在り方が再発見された時、当初問題だった症状や苦悩は消失し、かの苦しみは「降ってわいた災難」だったのではなく、大切なことを気付かせてくれた「ありがたい僥倖(ぎょうこう)」であったことに気付きます。このようなプロセスによって得られる変化は、元の状態に戻るrepair(修繕)としての治癒ではなく、rebirth(再生)やnewborn(新生)という表現にふさわしいような根源的変化です。この変化は、本人の内奥から自然治癒力が発動してきて達成されるものです。治療は、その発動を妨げているものを取り除くことが主眼です。

 しかし、自分だけでこの作業を試みようとしても、どこから手をつけてよいのか、途中で見えてくるさまざまな感情や考えをどう扱ったらよいのか、さて自分は今どこにいて一体どこに向かっているのか等々さまざまな疑問や不安が湧き上ってくるものです。この、一見道無き道を進むように見える内的な作業を、ガイドとして援助していくのが精神療法です。

 当クリニックは、そのための豊かな内省の場を提供したいと考えています。